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カシャカシャ
カメラのフラッシュの音の中
白いバックスクリーンの前でポーズをとる

「はい!次の服に着替える前に食事にしようか!」

カメラマンの西尾さんが仕切る中アシスタントや照明さんがお弁当を配りだした。

今日のお弁当はから揚げ弁当♪ロケ弁はけっこうおいしいのが多いから好き♪

時々究極にまずいのに当たるときもあるけど…

今日のから揚げ弁当は最高!
食べる時に幸せを感じる♪

カシャ

「いい顔してるね伊藤ちゃん♪」

そういってカメラマンの西尾さんがいきなり食事中の写真をとった

「びっくりした!西尾さん!お金取りますよ(笑)」

冗談交じりで返してみる

「今度食事でもしない?フランス料理でもおごるよ」

「えっ本当ですか?食べた事ないんです!よろしくお願いします!」

食べる事には、思わず素直に反応してしまう

「じゃあ今度誘うね♪」

といいながら上機嫌で去っていく西尾さん。するとマネージャーの根岸さんが耳元でささやいた

「あの人スケベだからやられちゃうわよ」

「ゴホッ!そっそうなんですか?」

思わずその言葉にびっくりして飲み込もうとしたから揚げが一瞬のどに詰まった

「どっどういうことですか?」

根岸さんは私にだけ聞こえるような小声で話し出した

「前に有名にしてやるからってHした女の子いるのよ」

まじで!

「でその人有名になれたんですか」

興味津々にきいてみる

「まあ仕事紹介はしてくれたみたいだけど…運がその子にはなかったみたい、ってあなた寝る気!」

寝る気!という言葉はあんまり大きな声で言わないでほしい…

「まさか!私そんなに安くないですよ!おじさん趣味ないし」

そういうと根岸さんは笑って

「ちょっとホッとしたわ。まあうまく切り抜けなさいよ」

と私の背中をドンと叩いた

この人は女なんだか男何だかわからない

背中が痛い…

「肝に銘じてがんばります」


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