MAIL
「12月近いし、ずりも覚えてもらって伊藤さんを戦力に加えたいんだけど…いいかな?」

「ずりってこの間言ってた会う約束で引きずりまわす あれですよね?」

「よく覚えてるね。覚えてもらえる?」

「はい喜んで(^_^)v」

「じゃあちょっとこっちで説明するね」

会議室に二人きり、柴崎さんのこと好きなわけじゃないけどちょっと緊張

そんな気持ちをよそに柴崎さんがホワイトボードにむかって書きながら説明を始めた

「まず、大切なのは会えないということを念頭に置いておいて。知らない人と会うために必要なものは何かわかる?」

「えーっと、日時、場所、時間、服装、とかじゃないですか?」

「そう、その通り。日時・場所・時間は特に重要で、それが決まったら客は絶対その場所に行く。バカだから何時間でも待ってる。じゃあどうするかだけど…どうすると思う?

「それを決めないようにする!(^^)!」

「半分正解。どうして半分かというと、会うのにそれを決めないとサクラだとばればれだろ?なので時間を稼いで決める、その上で決まった事をあいまいにする」

「あいまいですか?」

「あいまいって言うのは、例えば「時間に遅れるかも…」とかそういうこと」

「あーなるほど」



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