MAIL
夜の公園<圭矢>


女にジュースを渡した

「急に泣くからびっくりした。大丈夫?」

「はい大丈夫です。ありがとうございます」

「待ち合わせって言ってたけどすっぽかされたん?」

女の隣に座ってジュースを飲む

「待ち合わせしていたんですけど…こなかったみたいで…」

「電話したらいいやん」

「電話番号知らないから…」

「テレクラとか?」

女の顔が赤くなった

「マジで?」

女の顔がますます赤くなって下を向いた

「ほんまに軟派待ちやったん?俺余計な事したかな?」

「違います!」

大きな声で否定された
意味わからん



トルルルルル
携帯の音
「あっごめんちょっと待ってて」
ピッ
「はい圭矢です」

<圭矢か?今すぐ女調達できるか?20万出すわ>

女の方をチラッと見て考えた

この女もどうせテレクラしてるくらいやから他の女と同じやろ…

「はい大丈夫です」

<今どこや>

「今ですか桂駅の近くの公園です」

<そうかほな10分ほどで行くわ>

「わかりました」

プッ

「上司から電話…ごめん」

「いえ、それよりさっきは助けていただいてありがとうございます」

「ああ、気にせんといて、家どこ送っていこか?」

「実家は西京区なんですけど、今日の夜行でまた東京に帰らなくちゃいけなくて…」

「東京で何してるん?」

「少しモデルしています」

「道理でかわいいと思ったわ」

「すごくかっこいいあなたに言われると嫌味に聞こえますよ(笑)」

「おれ、全然かっこよくないよ、性格最悪だし…」

「もったいない!そんなことじゃ人生損しますよ!」

「確かに」

「確かです(笑)」

えっ?
このやりとり…
ナナ…
いや違う…
この子が男達に絡まれてた時、俺はナナからメールを受けた…
返事も返ってきたし…




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