思いを手のひらにのせて
「わたしのことわかったのかなあ? 
自分の息子に意地悪をされていた
かわいそうな同級生だって事」

「知らないと思うよ。そういうこと、
気にするタイプじゃないでしょう。
我が道しかいけない人だもん」

「今日、陰山がわたしに
廊下で話しかけてきた。
お父さん、気の毒だったねって。
でもその後、あなたも背が低いのねって」
 
またしてもわたしは呆然とさせられた。
 
「それがなんなのさ、って思った。
でも、この母にしてあの息子ありと思ったら
相手にしないのが正解だと思った。
だから無視してやった」

妹が大人びて見えた。

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