思いを手のひらにのせて
優しさだって波及していくものだと
わたしは思うのだ。

そんな世の中を夢見て、
笑ったり落ち込んだりしながら、
わたしは手話と要約筆記を学び続けている。

そして、もう一つの夢。
自分でも、こんな典型的で
かわいらしい夢を持つなんて
思いもしなかった。

最初は幸太の声と
瞳の美しさに魅かれただけだった。

でも今は幸太の穏やかな強さと、
凛とした優しさに、
いつも勇気づけられている。

わたしも幸太を
勇気づけてあげられる存在でいたい。

幸太がどうしても
聞き取れないことがあれば、
わたしが幸太に伝えてあげたい。

幸太のお嫁さんになりたい。

ごく普通でありながら、とても大きな夢。

この夢はもうすぐ現実になる日を
迎えようとしている。
                  おわり
< 34 / 34 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop