密×密~絶対あたしは諦めない
第一章

存在

あの日だったよね。
あなたとあたしが出会ったのは…。
丁度、あたしがあなたと同じ会社に入って間もない頃。

慣れないあたしに初めて声をかけてくれたのはあなただったよね。

この時、彼氏のいたあたしは彼氏以外の男の人には全く興味が無く、あなたの名前どころか、存在さえ気付かなかった。


あの日、作業が中々進まず、困っていたあたしに

「大丈夫?手伝おっか?」

と、優しい笑顔で言ってくれたよね。

知ってた?
自分の班の人以外で初めて声をかけてくれたのは、あなただったんだよ?

嬉しかった。

周りの人に話しかける勇気が無かったあたしに、その勇気をくれたから。

みんなと一緒にちゃんと仕事ができるのか不安だったし、“会社”に入るのが初めてだったから、緊張もしてた。

でも、あなたのおかげで「頑張れる」って思えたんだ…
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