歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~
先生が私に気後れしたのか
余りの勢いに、動きを止めて
一瞬目を見開いた、その表情に
私はハッとした。


(ヤバイ・・・おとなしくしておくつもりが・・・)


「・・・へぇ・・・。
見かけによらず威勢がいいじゃん」


そんな私の顔色の変化を
知ってか知らずか。

先生は満面に挑発の色をこめた
悪魔のような
楽しそうな笑顔で
ポツリとつぶやいた。


「そんだけ元気ありゃー
自力で何とかできそうだな」


そう言うとゆっくり立ち上がり
私の横をすり抜けて
準備室を出て行こうとした。



「待ってください!どこに行くんですか!?」


嫌な予感に咄嗟に
先生の腕を掴んでしまって・・・。




そして、驚いた。




白衣を着ているから分からなかったけれど・・・。

先生の腕は
想像以上に逞しく
筋肉質で・・・。



先生が大人の男の人であることを
初めて意識した。
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