歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~


慌てて先生の腕から
離れようとしたその瞬間――――――・・・。




私のその手は
先生に捕らえられていた。




「ナニ?そんなに俺と離れるのが
嫌なわけ?」




予想だにしないその言葉に
一瞬思考回路が停止した。




睨み返そうと
先生と視線を絡ませたはずだったのに・・・。



その瞳に捕らえられた途端


まるで金縛りにあったみたいに


身動きが取れなくなった。





間近で覗き込んだ先生の瞳は


日本人離れした深い深いグレーで・・・。




神秘的な


妖しく、艶めいたその耀きに


私は魂まで


吸い込まれてしまうような


そんな錯覚に襲われて





呼吸さえ忘れた。




< 18 / 43 >

この作品をシェア

pagetop