歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~
慌てて先生の腕から
離れようとしたその瞬間――――――・・・。
私のその手は
先生に捕らえられていた。
「ナニ?そんなに俺と離れるのが
嫌なわけ?」
予想だにしないその言葉に
一瞬思考回路が停止した。
睨み返そうと
先生と視線を絡ませたはずだったのに・・・。
その瞳に捕らえられた途端
まるで金縛りにあったみたいに
身動きが取れなくなった。
間近で覗き込んだ先生の瞳は
日本人離れした深い深いグレーで・・・。
神秘的な
妖しく、艶めいたその耀きに
私は魂まで
吸い込まれてしまうような
そんな錯覚に襲われて
呼吸さえ忘れた。