歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~
契約を結んで私の携帯―――――――
教頭先生に可愛らしいと言われてしまった
シャンパンゴールドって言われた
控え目なゴールドラメの携帯
―――――――は、
先生のミリタリーシャツのポケットに
まるで自分のもののように
スルリと収められた。
一方の私は
なんだか違和感が拭えなくて
どうしていいのか分からず。
そっと握り締めたまま
雨上がりの夜空を見上げた。
「あ・・・もう星が出てる」
つい口をついて出てしまった言葉に
先生も夜空を見上げた。
「あぁ・・・。綺麗だな」
「・・・先生でも綺麗って感情
あるんですね」
先生の穏やかな口調がくすぐったくて
なんだか照れくさくなって。
憎まれ口しか出てこない。
「そりゃあるさ。
綺麗なネーチャンの乳や尻は
最高に綺麗デスヨ」
うひゃひゃと、私の顔を
覗き込みながら先生は笑った。
「・・・サイテー・・・」
心底呟いた
私の言葉なんて聞こえなかったらしく
先生はふっと
なにか思い出したように「あ」と言った。
「誰だっけ・・・。あの、お前の友達」
「・・・リサですか?
橘理沙」
「そーそ、橘。
無事カレシのナントカと逢えたから
藍沢にお礼言ってくれって」