歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~


(ん?リサ・・・?!)



「何で先生がリサと海里サンのこと

知ってるんですか?!」


思わぬ展開に先生の腕にしがみついて
大声を出してしまった。

先生は一瞬目を見開いたけれど
すぐにいつもの顔になって
面倒くさそうに眉間にしわを寄せた。



「あいつしつこい。

職員会議中もずーっと鳴らしやがる。

痺れ切らして中座して

トイレで出たら。だ」


リサが泣きながら

『あれは自分のせいだ。エマは悪くない』

『取り上げるなら自分の携帯にしてくれ』

と、喰ってかかってくれたらしい。


「挙句の果てにはそのカレシまで電話に出てきて

まーウルサイウルサイ・・・」


先生は話しながら思い出したのか
うんざりした顔つきだったけど・・・。


(そっか・・・、ちゃんと海里サンと逢えたんだ!!)


私はリサが海里サンの記念すべき日に
間に合ったことが嬉しくて顔が綻んでいた。


「先生、ありがとうございます。

ちゃんと教えてくれて!」


そう言って笑顔で先生を見上げると
先生は大きく目を見開いた後
なぜか口元を手で押さえて視線を逸らしてしまった。


嬉しさでいっぱいだった私は
そんな先生の変化も特に気にならなくて。


「良かった!リサがちゃんと逢えたか

心配だったんです。

あー!よかったぁ~♪

これで安心!!」


夜空に向かって背伸びをする私を見て
先生が


「お前・・・ソレ反則だろ」


そう言っていたこと、
私は知らなかった。










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