歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~
先生と並んで歩く夜道の中で。

ふとある疑問が私の中で大きくなる。


「あの・・・先生?」


「んあ?」


ポケットに手を突っ込んだままの先生が
視線すら向けずに
一言返事をしてくれたことを確認して
私は言葉を続けた。


「・・・なんでついてくるんですか?」


そう。


学校から自転車で20分ぐらい、
徒歩で40分以上かかる、この道のりを
どういうわけだか
私は今日、先生と歩いている。


学校を出て


「お前のうちはどっちだ。

さっさと歩け!!」


と脅され(!?)言われるがまま
歩いて来たけど・・・。


さすがに家が近くなってくるにつれ
私も落ち着かない。


(ま、まさか携帯騒動、
親に報告するとか?!)


恐る恐る聞く私など
特に意に介した様子もなく。


「別に。お前の後なんて付いてきてない。

俺もこっちに用事があるだけ」


そういいながらも
先生は物珍しげにあたりを見渡している。


(・・・絶対この辺の土地勘・・・ないよね・・・)


不安を募らせながら
探りを入れてみる。


「・・・先生、徒歩通勤なんですか?」


「あ?アホか。何で俺が

歩かなきゃいけないわけ?」


「・・・ですよね・・・」


予想通りといえば予想通りで
それ以上言葉が続かない。



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