歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~
「でも俺は、
ネーチャンよりお前見てるほうが
面白かったぞ」
そう言ってニッと笑った。
それはまるで子供のような
笑顔で。
「ハイハイ。どーせ
ちっこい虫が動いてるみたいだったとか
言うんでしょ」
「お!分かってるねー。
子供が頑張ってオカアサンのお手伝い
してるみたいで微笑ましかったぞー!」
そんな憎まれ口を叩きながらも
胸は、まるで全力ダッシュした後のように
うるさく忙しなく動いていた。
手足が小刻みに震える。
今、絶対私顔真っ赤だ・・・。
「もうココでいいぞ」
不意に先生が立ち止まると
ヒラヒラと私に向かって手を振った。
「え、でも・・・」
まだまだ駅までの道のりはあることが
気になりながらそう口を挟むと。
「この俺がオコサマに送ってもらうなんて
格好悪すぎるからな」
そう言ってニヤリと笑った。