歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~



「でも俺は、

ネーチャンよりお前見てるほうが

面白かったぞ」



そう言ってニッと笑った。


それはまるで子供のような
笑顔で。



「ハイハイ。どーせ

ちっこい虫が動いてるみたいだったとか

言うんでしょ」



「お!分かってるねー。

子供が頑張ってオカアサンのお手伝い

してるみたいで微笑ましかったぞー!」



そんな憎まれ口を叩きながらも
胸は、まるで全力ダッシュした後のように
うるさく忙しなく動いていた。



手足が小刻みに震える。
今、絶対私顔真っ赤だ・・・。





「もうココでいいぞ」



不意に先生が立ち止まると
ヒラヒラと私に向かって手を振った。


「え、でも・・・」



まだまだ駅までの道のりはあることが
気になりながらそう口を挟むと。



「この俺がオコサマに送ってもらうなんて

格好悪すぎるからな」



そう言ってニヤリと笑った。






< 39 / 43 >

この作品をシェア

pagetop