歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~
そのうち、背後から嬉しそうなリサの声が聞こえてきた。


聞いてるこっちが
恥ずかしくなりそうな
甘い会話。


(…いいなぁ、リサ)



私には彼氏がいない。
…というか
付き合ったことすらない。



彼氏が出来たら、
リサみたいに声のトーンも変わっちゃうくらい
楽しいのかな…。


そんなことを考えてたら
リサに肩を叩かれた。


「恵麻、ありがと!
海里迎えに来てくれるって!」


その声に振り返ると
頬が少し上気した、
嬉しそうなリサがいた。


「ううん、良かったね!
これで一安心だ。

…じゃ、もう駅に向かう?」


そう尋ねると
リサは腕時計をみて頷いた。


「そうだね、かえろっか」


私たちは教室に
まだ残っていた数人に
声をかけてから
二人一緒に昇降口へと向かった。


< 4 / 43 >

この作品をシェア

pagetop