歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~
そんな反応を楽しむかのように
喉元でクッと笑みを漏らすと
私の耳元で



「ほら、やっぱり転んだ」


そう囁いて


動けない私の耳のすぐ裏に


吸い付いた。



「っ!・・・やっ・・・!!」



慌てて身を捩るけれど


先生の空いてる手が


私の後頭部を抑えつけて


逃れることが出来ない。


あの時感じた


先生の香りが


また私を包んで


膝から力が抜けていく。






チクリ・・・。





新たな痛みが与えられたかと思うと


先生は香りとともに


私から離れていった。




「やっぱりオコサマ。


ガキはとっとと帰って寝ろよ」



そう言う先生の顔は

心底楽しそうで。




(・・・やっぱり悪魔だ・・・)




そう思わずにいられなかった。
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