歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~
マズイ…!!!


教頭の声を聞いた途端、
危険信号が頭の中で、
鳴り響いた。


咄嗟に隠そうとしたけれど
動揺して手が震えた挙げ句…。



……カシャン!



乾いた音を立てて
携帯が落ちて、
教頭先生の足元に…
転がった。


(……終わった…)


「これはこれは…。

所持禁止の携帯電話
ですよねぇ」


その嫌みな口ぶりに
血の気が引くのを
感じながら
私は立ち尽くした。


他の先生なら
謝り倒せばなんとかなるかもしれない。


でも、相手が校則大好きな教頭先生じゃ、
どうにもならない…。


あまりの出来事に、
身動きすら出来ない私たちをよそに、

教頭先生が携帯を

拾おうとした時だった…。






「おーおー!
こんな所にあったのかー。

俺の携帯!」







誰かが私たちの横を

スッと横切り…

教頭先生よりも先に

私の携帯を拾いあげた…。
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