歩いて帰ろう~先生なんて大キライ!~
「そそそそ…そうなんですっ。
私たち、この携帯拾って
と、届けようとしてたんですっ!!!!!」



唖然としている私の変わりに
リサが大声で答えた。


…完全に噛み噛みだけど。


「やっぱりそうか!
助かったぞー、相澤!と、えーっと… 」


「た、橘です!!橘!!」


「お、おう、そうそう。
橘。
アリガトウ」


二人は、大声をあげて
笑いあっていたけど…


私は目の前で起こった
出来事を把握出来なくて
肩を揺すられるままだった。


「さ、じゃあお前たちはもう帰れ!
下校時間だぞ」


そう言って、
冴木先生は当たり前のように
私の携帯を
着ていた白衣のポケットに入れてしまった。


「は、はぁい。センセーさようなら〜」


「ハイ、サヨウナラ〜」


ヒラヒラと手を振る冴木先生。


私は、リサに引きずられるように
その場から立ち去った。


後ろで教頭先生が
何か大声で叫んでいたけど
私たちは振り返らずに
一気に階段を駆け降りた。



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