【完】殺人者恋愛事件
歌い終わると泰斗は、私のほうを見て微笑んだ。



私もつられて微笑んだ。



「…この歌、俺が一番好きな曲なんだ」



泰斗はまた窓の外に視線を移し、遠い目をした。



何故か胸がギュッと苦しくなった。



「…そう、なんだ。

歌上手いね?」



「だって俺、小学生んときから音楽の評価5だったし」



「へぇ…元から上手かったんだ」



「…うん。まぁね」



泰斗って、いつから殺人者になったんだろ…。



知らなくてもいいことなんだけど、無性に知りたくなるのはどうして?
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