【完】殺人者恋愛事件
泰斗は眉をしかめ、私の手をもっと強く握った。



「そんな強気でいいのか?
こっちには人質がいるんだぜ?」



泰斗は勝ち誇ったような表情をして、シャッターの外にいる警察にそう言葉を投げかけた。



「くっ…まだ人質がいたのか!

卑怯だ!!
今すぐ人質を解放しなさい」



そんな警察の言葉を聞くと、泰斗は穏やかな目で私を見つめた。



「…どうしたい?」



「えっ…」



私に選ばせるの?



そんなの、出ていくに決まってるじゃん。



…………って私が言えないのを知ってて、わざと選ばせてるの?
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