【完】殺人者恋愛事件
『○○町3丁目2−60…』



なんで住所を聞かれたのかとか考える余裕もなく、私の心はズキズキと痛み続けていた。



そしてすぐ電話は切れ、私は無機質な音を片耳で聞きながら、電話を片手に突っ立って動けなかった。



フラれた…のかな?



よくわからないフラれ方だったけど、これでいいんだよね?



これでやっと…泰斗のことを忘れられる。



大好きだった泰斗のことを…。



電話を受話器に戻して目を閉じたとき。



「晴香!!!!」



窓の外から、私を呼ぶ声が聞こえた。
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