【完】殺人者恋愛事件
まさか、と思って窓を開けて覗いてみた。



すると、汗だくだくで息を切らしながら私を見つめる生き生きとした瞳と目が合った。



「……泰斗…」



なんでここにいるのよ…。


私のことフッたんじゃないの?



ねぇ…どうして?



「…晴香!そのままで聞いてくれっ。俺も、晴香が好きだ!出会ったときからずっと気になって「馬鹿!!!」



泰斗の言葉を、私は大声で遮った。



「馬鹿じゃないの!?私がどれだけ寂しい思いしたかわかってんの!?私のこと好きなんだったら、一人になんかしないでっ……」



涙が溢れてきた。



周りに聞こえてしまっていることなんて気にせず、私はただ泰斗に向かって気持ちを叫んだ。

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