【完】殺人者恋愛事件

もしかしたらあれはただの出来心だったのかもしれない。



今も前も、泰斗の気持ちがわからない。



チーン



エレベーターが、橋本さんがいる病室の階に到達した。



私は下りてすぐ、泰斗がいないか確認した。



大丈夫。


いないようだ。



私は静かに橋本さんの病室へと近づく。



ドアに耳をくっつけると、僅かだけど中から泰斗と橋本さんの話し声が聞こえた。



こんなこと、しちゃいけないってわかってる。



でも止められない。