【完】殺人者恋愛事件
盗み聞きなんて、生まれて初めてする気がする。



心臓がドクドクとうるさい。




「……また来てくれたの?ありがと…」



弱々しい橋本さんの声。



「いや、美砂さんがこんなことになったのは、俺のせいでもあるから…気にすんな」



泰斗、相当気にしているみたい。



でも泰斗?



今の何?



私、聞いてしまったよ。



いつの間にか橋本さんに対して敬語じゃなくなっていた。



それに橋本さんを下の名前で呼んでいた…。



それが何よりもショックだった。
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