【完】殺人者恋愛事件
いつもの雛姫さんらしくない。



いつもの雛姫さんなら、「私の泰斗を、返してよ!」とか言ってきそうなのに…。



と思ったら、いきなり私の顔を真剣な眼差しで見つめた。



「手、出して」



「へ?」



よくわからなくて首を傾げていると、雛姫さんは無理矢理私の手を取って、掌に何かを握らせた。



私は掌をゆっくりと開く。



中に入っていたのは…




「鍵……?」



「そ。ここの倉庫の合い鍵。泰斗がくれたの、でももういらないからあんたにあげる。」



雛姫さんは魔女のような手で、私の頬を撫でた。


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