【完】殺人者恋愛事件
私は日向くんが出ていった後の、開いている扉を見つめた。



夜の風が、倉庫内に吹き込む。



出て行きたい衝動にかられたが、ぐっと我慢した。



鎖で繋がれて、動けない……。



早く帰りたいよ…



お母さん………。




開きっぱなしのシャッターの隙間から見える夜の街を眺めながら、ぼんやりとお母さんのことを思い出していた。




嫌だ。



こんなとこ、いたくないよ。



今すぐ出て行きたいよ。



日向くんも、意味わからないし。
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