空を照らす者達<エンジェルズセカンドメモリー>
涙一つも見せず、ただ一人で幼き頃から生きてきた。

幸織の父親は医者、母親は弁護士で、金は多いにある。

それでも幸せとは思えない。

こんな人生、いつ終わってもいい。

痛み、死ぬのなどは怖くない。

そう考えている。

何もかもが憂鬱な日々で、幸織の心は毎日変わらず、肉体と時間だけがすぎる人生であった。

暗い道を抜けて自分の家へ。

玄関を開ける。

ただいま、なんて言える人もいない。

それでもそれが幸織が最も幸せに近く感じる過程だった。

異様に広い部屋で着替えて、テーブルで身体に悪そうなカップ麺を夕飯にした。

それを適当に捨ててベッドに倒れ込む。

「今日も、一日が終わったな……気分が悪い寝よ……」

と、自然と眠りに着こうとする。

この憂鬱な世界から一刻も早く抜け出す為に。

そして、幸織は静に眠りに着いた。







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