素直になれたら
「愛菜ってば、ほんとバカだよねぇ~」
人が真剣に悩んでるのに、呑気に
髪の毛をいじったりしている。
おまけにこの適当な返事…(泣)
「美月までひどいよぉ~(泣)」
「あぁぁあ!もうっ、はいはい
今日は駅前のカフェでおごるから!」
「…今日はそんなんで釣られないもん!」
「とかゆって、ほんとは
ちょっと嬉しいくせにー」
「………」
「ぷっ!!!!
愛菜は分かりやすいねぇ♪」
「今日は一番高いケーキ
頼んでやる!!!!」
「はぁっ?!ちょっと!!
…まぁ今日だけは許すっ」
「やった~♪」
美月におごってもらえるのは
めったにないし、嬉しいけど…
あーあ、 なんか今日は
運がなさすぎるのかなぁ…
あたしは一日じゅうボーっとしていた。
― そして、あっという間に
下校時間になっていた。
「愛菜~、行くよーん」
「はいはーいっ」
あたし達は化粧や髪型を
セットし直したり準備を終えて、
電車でいつものように
駅前へとむかった。