私は先生のお嫁さん
南Side

…まったく、可愛い顔して眠ってる。
こうしてみると、幼く小さい頃の千里を思い出す。

だけど……

「う……ん………。」

これは生殺しだろ…!
俺は、触れるだけのキスをした。
おでこ…唇…頬…首…
何度も何度もを…。

『ヤッベ……。』

止まんねぇ……。


その時だった。

「ねぇ―!部屋どこ?」

「ん―…あ、ここじゃねぇかな?それから、お前はその隣。」

「わぁ―、綺麗!」



…ッ!?
この廊下から聞こえる声は、篤哉と佳那!?

おいおい…まさか、隣の部屋じゃあないだろうな……。

うん。まさかな…。
部屋なんかたくさんあるんだから…そんな偶然は………。

「ん―…、あれ、私…眠っちゃったんだ……。」

『…おはよう。』

「おはよ、ねぇ…お腹すいちゃった。なんか食べに行かない?」

『あ、あぁ…。』

でも、今は避けたい…。
いや、でも似た声であって必ずあいつらだって決まったわけじゃないもんな。

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