私は先生のお嫁さん
『…静かにしてろよ?』

南が後ろを少し振り返り小さな声で言った。

私はもしかしたらバレちゃうんじゃないかって、考えたら急に怖くなり、声が出なくなった。

だから、その変わりに頭をコクコクと縦に振って答えた。

だって、頭を縦に振ることが精一杯だったんだもん。


だけど、南の背中……こんなにも広いんだ。
私の体とは全然違う。当たり前だけど。

凄くしっかりしてる…ていうか、引き締まっているっていうか……。
力強い感じがする。


それは、南は男で私は女で全然違うんだっていうのをヒシヒシと感じさせる。




うん、これは他の女の人がほって置くわけがない。


「お、あったあった。こんな所にあったのか。」

どうやら、脱衣所から聞こえてきた男の人はどうやら何か捜し物をしていた様だ。

扉が閉まる音がして南が様子を確認すると男の人はもういなくなっていたみたいだ。

服とかもばれなくてよかった。影になって見えないような隅に置いといたからだろう。

『よし、千里。今のうちに出ろ。
他の奴らが来たら次は本当にヤバいだろ。』

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