私は先生のお嫁さん

彼の存在

南にそう言われて一日が経った。

もちろん今は朝なわけで。

…起こすべき、だよね。南のこと。心愛はまだ寝かせておいていいし。

結局突然言われても日々の習慣を急に変えられるわけがなく…南の分の朝ご飯に、お弁当を作ってしまった私。

「南……」

あ…そうだ。教師と生徒ってことは、名前で呼ぶのもあれだよね。

「…南、先生。朝ですよ。起きてください。」

少し揺すって声をかけると眠そうな目を擦ってゆっくりと起きた。

「…おはよう。」

「おはよう、ございます…。

先生のご飯とお弁当、テーブルにあるので適当に食べるなり……捨てるなりしてください。」

言い方、きつかったかな…。
でも、こういうことだもんね……。

「ありがとう、

ありがたいけど、さ…明日からは朝ごはんも自分で作るし、弁当もいらないから。」

そう言って南は部屋から出て行った。
…ははっ。
私、本当に嫌われちゃったのかな。
さっきの南は、いつもの南の顔じゃなくて……………………………………………………“学校の南”だったもん。


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