私は先生のお嫁さん
「千里……!?」

「なに…?」

急におどおどしだした篤哉。
…どうしたのかな?凄く困ってるみたいな顔してる……。

「どうして、泣いてんだよ……。
そんなにそいつが好きなわけ…?」

私は、ゆっくり自分の頬に触れてみた。そして私はやっと、自分が泣いていることに気がついた……。

「…なぁ、でも俺にはその涙を止められないんだろ?」

どうしよう……。
なんだか、篤哉の声がどんどん遠くなる………。

「……南、先生か?」

ドキン…


私は篤哉の“南”という言葉を聞いてハッとした。

「やっぱり…南先生だったんだな?」

「南、先生は…関係ない…よ。」

「嘘だ……。
千里の心は、今誰を求めてるんだよ…。
南先生だろ?

俺はさ、お前のことずっと見てきたからなんとなくわかるんだよ。この間の電話んとき一緒にいたのも南先生だろ?」

ちがう……!
南は関係ないよ……!

口ではそう言ったつもりなのに……。
声に出せない……。


否定、できない……。


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