私は先生のお嫁さん
南くん、あんな言い方していいのかな…?

女の人は逃げるように去っていった。


…あれ?私、今睨まれたような……。気のせいかな。

…気のせいには思えないけど。だって、凄い怖い顔だったんだもん。

南くん…やっぱり容姿はカッコイイな。モテるわけだよね…。


その後、どうやって学校に行ったのか…思い出せない。

学校に着いてからも、なぜか朝の南くんのことが頭から離れないでいた。


あんな南くん、初めて見たから。



「ねえ千里、帰ろう?」

「え…もう放課後!?」

気がつくと教室には私と明奈(アキナ)だけ。
この子は、静原明奈(シズハラアキナ)私の幼馴染みで親友。

「あんたさ…今日はずっと上の空だったけど、どうしたの?なんかあった?」

「う、ううん…。」

「ふーん…あったんだ。…嘘がバレバレ。顔に書いてあるよ。“悩んでます”、ってね。」

「そんな―……。」

だけど今は上手く表現出来ない…。
どう話したらいいかわからない…。

するとさすが親友。
何かを察したかのように頷いた。

「まぁ…無理には聞かない。そのかわり話せるようになった時が来たら話なさいよ。
私がどんなことでも全て聞いてあげるから。」

ありがとう…。

「うん…。」

「じゃあ、帰ろう(笑)」

「あ、ごめん。私、今日もわからないとこ聞いてから帰るから先に帰ってて?」

「わかった(笑)
それじゃあ、頑張りなさい。」

「ありがとう。頑張る!」

< 4 / 207 >

この作品をシェア

pagetop