私は先生のお嫁さん
「その姉ちゃんは、よく昔から行方がわからなくなることが多いんだよ……。
自由気ままというかなんと言うかまったく…。」

そ、それ…いいの?行方がわからなくなるって危ないよ…?
探した方がいいんじゃない?


「それから…。
数年前からさ、姉ちゃんイギリスで暮らしてたんだ。」

「そうなんだぁ~!」

知らなかったぁ。
イギリス、いいなぁ~。ってそうじゃなくて……。


「ここからは、私が話すわね。


莉央は、以前…付き合っていたイギリスの人が居たんだけどその人……家庭がある人だったみたいでね。

すぐに別れたらしいんだけど…別れてから妊娠した事を知って、あの子ったら産んだみたい…。

この間、初めて私たちも莉央から聞いてね。

あの子……私たちが買い物に行っている間にこの子と置き手紙を残してそのまま居なくなってしまったの。」

そう言うと、かばんから一枚の紙を取り出した。

“心愛のことをしばらく、よろしくお願いします。

探さないで下さい。

       莉央”


白い紙には綺麗な字でそう書かれていた。
心愛…ってこの子の名前かな?
可愛い……。


「そこでお願い…!

私たちも…年齢的にも少しきつくて…この子のパパとママになってほしいの。」

「あ~、パパとママ。」

そっかぁ。パパとママねぇ。…って!………パパとママ!?
私がママで南がパパ!?

私と南がぁ!?

まだ…私、学生なのに!?

驚いてるのは南も同じみたいで、南も驚いた顔で固まっている。

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