私は先生のお嫁さん
固まっていた南は、すぐに真剣な顔付きに変わった。


「まだ、生後1ヶ月くらいみたいなんだけど…

だめ…かしら?」

お義母さんは躊躇いながら聞いてきた。


もちろん、私の答えはもう決まっている。



「…千里、お前はどう?

俺はさ、もう26だしたくさん遊んだし別にいい。でも、お前は違う。

まだ若いし遊びたい年齢だけど姉ちゃんの子を自分の子として育てられるか…?」

もちろん。当たり前。

私が…この子のママに。
すごく大変だろう。
辛いこともたくさんあるかもしれない。

でも、私は決めた。
私がこの子のママになるって。


「うん、南。
私がこの子のママになるよ。」

戸籍上は……私たちの姪っ子。
だけど、今だけは私と南の娘になった。



「千里……。」

「じゃあ私、おばあちゃんね(笑)」

「俺はおじいちゃんか…」

ママとパパは嬉しそうに、だけど少しだけ寂しそうにそんなことを言っていた。

「あの……この子の名前は?」

“心愛”って手紙にはあるけど…。


「心愛(ココア)よ。」

「名前は…姉ちゃんが?」

「うん、そう呼んでて。

どう書くの?って聞いたら

『心が愛でいっぱいに満たされているように心愛……』って。
言っていたわよ。

これ、一緒に置いてあった母子手帳と保険証。

必要で使うだろうし、抱っこしてるから南に渡すわね。」

「はい。

心愛~ママですよ?
これから、よろしくねぇ~♪」

「…母さん、俺らが学校にいるときは…」

「その時は家に。

首が座ってもう少し大きくなったら保育園とか考えましょ♪」


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