私は先生のお嫁さん
「ねぇ…南くん。」

「ん?何?」


「さっき言ってた大切なものって…

命、のことでしょう?

回りくどい言い方するから何かわかんなかったよ…。」

「ハァー…?」

私がそう言うと南君は口をあんぐりと開けて馬鹿かって目を向けてきた。

「だから、命を奪われるってことでしょ?

いいところ行こう?って言ってたし…。

でもさ、あの人達、見ず知らずの私を殺してもなんのメリットもないのに…馬鹿だよね。


あ、今は変な人おおいんだっけ。」


「お前なぁ―…。

俺の言った大切なもんってのは、…処女のこと。」

「…ッ!?」

「一応、意味くらいはわかるだろ…?」

私は恥ずかしくて思いっきり首をぶんぶんと縦にふった。


そっちのことだったんだ…。


「千里まだ、……男、いないだろう。


そういうのは…その、大切な人が出来てから捧げるもんだし…。

そもそも、お前は嫁に行くまでは大切にしとかないとだめだ。」

「南くん…。」

南くんは真剣に語ってくれた。
こんなに心配、してくれたんだ…。


なんだかんだで、今まで話さなかったのが嘘のように、
二人の間の空欄の時間を埋めるようにたくさん会話をした。

するとあっという間に家に着いた。

家に着くとタイミングよく玄関のドアが開いてパパとママが出てきた。

「南君、ありがとう!
助かったわ~(笑)」

「いえいえ(笑)

聞いた時は驚きましたが思っていたより早く見つけることができてよかったです。」


え…?助かった?

思っていたより早く
見つかった?


どういうこと……?

私の頭にはハテナでいっぱいになった。

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