私は先生のお嫁さん
さっき…たまたま、通り掛かったって言ったのに。

本当は探してくれてたんだ、私のこと。


「そうだ!あのさ、南くん、千里の家庭教師してくれない?

もちろんお金出すから。
勉強熱心はいいけど毎回こんな遅くまでだと私も旦那も心配だし…。」

「いいですよ。
つか、千里の勉強だったら無料で見ますよ。

自分も人に勉強を教えるという経験は、勉強になりますし。」

3人の会話に私一人ついていけていない…。

「あ、あの?
どういうこと…?」

「千里の帰りが遅くてパパもママも心配でね。

南君に、一緒に千里を探してくれるように頼んだの。

それから…
明日からは南君が家庭教師だから、寄り道しないで早く帰ってくるのよ。」

「は、はぁーい!」

南君が…家庭教師!?
すごく嬉しい♪
頑張らないと…!

だけど…本当にいいのかな?

「ほら、千里。
早く家に入りな。
そんな短いスカートじゃ風邪ひくぞ。

じゃあまた明日な。

失礼します!」

「うん、ありがとう。」

「明日から娘をよろしくね。」

パパとママも嬉しそうに笑っている。

でも…本当にいいのかな?

私の勉強見るってことは他の女の人との時間を無くなるってことだし…。

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