私は先生のお嫁さん
私が黙っていると佳那は申し訳なさそうな顔をし始めた。


「…ごめん、冗談。

千里みたいな子が教師と生徒の恋なんてありえないもんね(笑)

でも…先生も千里も同じ目をしてお互い見てたから…。」

そういって、佳那は笑った。それも、とても優しく……。

私みたいな子は、かぁ。

やっぱり私には先生との恋なんて無理だったのかな…?

だけど、私はもう南の奥さんなんだから。
しっかりしないと!

だけど…

やっぱり、まわりからすれば憧れがあっても先生って立場の人と恋…なんて、変なのかな。

もし…佳那も、本当の事を知ったとき…私のこと一体どう思うかな…。


そういえば…南と同じ目で見てる?どういうことかな?


「千里?」

「ううん…、なんでもない(笑)」

まだ…今は、待ってて。今はまだ……。

そう思った時だった。

「千里、あとで俺のとこに来なさい。

課題、出してないぞ。」

後ろから急に南が来た。

“先生”の顔をした

南が―…………。


「課題……?」

あれ?そんなのあったかな?

「とにかく、昼に俺のとこ来なさい。」

でも…いいか。

どんな形であれ、南といられる幸せがあるのだから―……。

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