私は先生のお嫁さん
「……ヤバいな。」

一言だけ言うと、南はさっきまで私に合わせて歩いてくれていたのに急に早歩きになった。

「どうしたの?…………どうしたんですか?」

「時間がちょっとな…」

そう言うと今度は、
ポケットから携帯を取り出していじり始めた南。

あの~?ここ、…学校の廊下で私は…今は一応、生徒なんですけど?

教師が生徒の前で携帯いじっていいんですか………?

「……よし。」

今度は急に頷いて携帯をしまう。
私の旦那様…いやいや、先生は一体どうしちゃったのかしら…?

不思議に思っていると今度は振り向いて手を繋ぎ歩きはじめる。
だから…ここ、学校なんですけど!
誰かに見られたりでもしたら………。

そう思ったとき、
ビックリすることを言い出した。

「…大丈夫。

この時間は俺以外の先生はみな授業やってるし、
お前以外の生徒……まぁサボってるやつ抜かせば、
みんその授業受けてる。

だから、見つかる心配はない。安心しろ。」

いやいや…安心しろって…私の授業は?

「私…授業受けなくていいんですか…?」

「なに?千里は俺と二人っきりになりたくないわけ……?」

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