sweet winter




その男が
あたしの視線に気付いた。

一瞬、目が合った。

(ヤバい!)

あたしはとっさに
目を逸らした。

あたしと男の距離は
数メートル程。

男の足音が、
少しずつ近づいてくるのを

あたしは
うつむきながら感じていた。

「今、見てたよね?」

頭上から声がする。

あたしは少しずつ、
顔を上げる。

そこには…あの男。

(見なきゃ良かった、)
あたしは少し後悔していた。



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