向こう。
母さんの死からしばらくすると、父さんは再び働き詰めの生活へ戻って行った。
ある日、俺は父さんに
「父さんは母さんがいなくなって悲しくないの?」
と言った。
父さんはその日、黙って自室へ戻った。
そして朝起きると父さんはもう既に家を出ていて、その代わりに一枚の手紙が置かれていた。

それは
「いい加減母さんを忘れて、しっかりしなさい。
周りの人に迷惑を掛けるんじゃない。」
という内容だった。
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