向こう。
「もう凪に怖い思いは絶対にさせないから。
どんなことをしても俺が守ってやる。」

舞瀬はこっちを見ないが、その横顔はとても頼もしく、俺は舞瀬に抱き着きたくなった。
でもここは道の真ん中。
いつ人が来てもおかしくないような場所でそんな真似は出来ない。

そんなことを考えながら無意識に出た言葉は、思いの外意味深になってしまった。

「…家に、帰りたくない……」

「え…っ?」

俺、何言ったんだろう?

「ま、舞瀬、今のは無しだっ!
これは、その…」
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