向こう。
「ふぅ…」

力の入らない腰足をなんとか動かし、階段を下り終える。

「まずは…顔洗お。」

洗面所に行って、顔に水を掛けていく。
冷たい水で、重い瞼もちゃんと開いた。

「ん?何だ、これ。」

鏡に映った自分を見ると、首筋や胸にかけて、赤い鬱血が点々とある。

「あっ…これって……」

キ、キスマーク!?

「あいつ…」

舞瀬め…

こんなんじゃ学校に行けないじゃないか。
Yシャツで隠せたとしても、今日は体育があるんだよ。
体操着のシャツって襟が大きいから一発でばれる。
ばれるのは良いけど、注目されるのは嫌だ。
< 37 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop