向こう。
舞瀬がリビングに入って来てしまった。
座ったままの体勢で見上げると、舞瀬が目を丸くして立っていた。
そしてすぐに近付き、俺の額に触れた。

「何…?わっ…」

舞瀬は黙ったまま、俺を抱え上げた。
そのままスタスタと階段を上って、俺を部屋のベッドに寝かせた。

「舞…瀬?」

何をされるか分からず、おずおずと舞瀬を見上げる。

「何で寝てないんだよ!
こんな熱あるくせに!」
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