向こう。
「ごちそうさま。」

俺は器とスプーンを置いて、手を合わせた。
全部食べてしまいたかったけど、結局半分位残してしまった。
ただでさえ少食なのに、風邪まで引いたら食欲が湧くはずなどなかった。

「ん、じゃあ薬飲んで。」

渡された薬を飲んで、再び横になる。
舞瀬はそれを見た後、腰を上げた。

「俺、片付けして来る。」

「…待って……」

無意識に言葉が出ていた。
その言葉に舞瀬が振り返る。

「…どうした?」
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