向こう。
その内容は、本当に酷いものだった。
後輩をパシリにするだけでなく、少しのミスも罵り、罰を与えた。
殴る蹴るの暴力、嫌がらせ。
それを止める者はいない。

「それをやっている奴は誰だ?」

「三人の先輩がやっているんだ…その先輩は……」

バスケ部部長、副部長、そして生徒会副会長。
先輩達は、二年の中でトップの強さを誇っている。

大会が近いこの時期に、抜けられると困るため、部員は何も出来ない。
三年はもう引退していて、上から押さえる者がいない。
それに調子付いて、段々エスカレートしているらしい。
また副会長は頭が切れるらしく、それらの出来事が外に洩れないようにしている。
だから誰も止められない、という悪循環を起こしているのだ。
そしてそれに耐え切れず、退部しようとする者も出てきたらしい。
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