向こう。
会長は終始黙って見続けていた。

「…これが俺が撮った全ての映像です。」

そう言って俺はデジカメをしまった。

「ああ。
………副会長。」

会長が呼んだ瞬間、副会長はビクッと肩を震わせて顔を上げた。
その顔は焦りと緊張の汗が滲んでいた。

「これは…どういうこと…?」

会長はゆっくりと穏やかな口調で聞いているが、俺には怒りの色が見えていた。

「あ…えっと、その…」

「これは本当なんだね?」

「ちょっと待って下さいよ、会長さん。」

会長の言葉を遮って、部長が入ってきた。
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