向こう。
「分かった分かった。
じゃあまず、こっちな。
こいつは坂野。
この前話した奴だよ。」

坂野は軽く頭を下げて、笑った。
しかし俺は眉を潜めて、首を傾げた。

「…小さくない。」

目の前にいる坂野は、話に聞いた、小柄で可愛い感じではなかった。
むしろ、身長は舞瀬を軽く越す長身だ。
顔はあどけなさが少し残っているが、可愛いと言うよりは、優しそうと言う方が合っている。
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