向こう。
「何で俺が小さいと思ったの?
まあ昔は低かったけど…?」

「この前、昔の話をしてやったんだよ。
あの一年の時の。」

坂野はそれだけで話を理解したらしく、笑顔で頷いた。

「あー、あの時はまだ小さかったよねー。
でもそっから急に伸びたんだよね。
んーと…二十センチ以上は伸びたかな?」

「羨ましい…」

まだまだ身長が欲しいのに、止まりつつある自分を呪った。

「大丈夫だって、凪はこのままが一番可愛いよ。」

舞瀬が慰めの言葉を掛ける。
でもそんなの全然嬉しくない!
俺は深く溜め息をついた。
< 89 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop