向こう。
「おいおい、さっきから俺を忘れてへんか?」

「ああ、そうそう。
こいつが中森な。」

舞瀬が指差したのは、またも長身の男だった。
背は舞瀬より少し低い位か。
前髪を上でまとめ、ピンで留めている。

何にしろ、三人が並ぶと近寄りがたい。
それぞれのオーラが強いというか、絵になる。

「凄…」

「なに、何が凄いの?」

小さい声のはずなのに、坂野はしっかりと俺の声を聞いていたようだ。

「なんか…三人が一緒にいると、近付きがたいオーラが出てる気がして……」
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