向こう。
視線が痛い。
ずっと見られているわけではないのだが、ちらちらとこっちを見る目が止まない。

すぐにでも寝てしまいたいが、授業とノートを写すので忙しく、そんな暇はない。
とにかく早くノートを書き終えようと、俺は必死に手を動かし続けた。

「はぁ…」

三日分のノートを一時間で取り終えた。
かなり集中したお陰で、クラスの人の目はすっかり気にならなかった。

軽く伸びをして席を立つ。
そして再びあの場所へ向かった。

「舞瀬、これ…」

座っていた舞瀬にルーズリーフの束を手渡す。

「えっ、もう全部写したのか?」

俺は小さく頷いて答えた。

「助かった。ありがと…」

「あんなんで大丈夫だったか?
俺、あんまノート取ったことないから。」

「そー…だったのか?」
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