希望

「駄目だ。何を考えてんの？そんな事をしたら…」頭の中は冷静に否定していたにも関わらず、体は犯罪をおかしていた。
リナは引き出しに入っていた３万円をズボンに挟み、服を覆い何事もなかったかの様に部屋に戻った。
「お待たせ…！」
「来た来た！早く再開しよ」
「うん」
「バレたらどうしよう」リナはその事で頭がいっぱいだった。
一時間程たった時だった。
「ここに置いといたお金が何処にもないっ！」
サキのお兄さんだった。「このお金はお兄さんのだったんだ。どうしよう」パニックになりそうだったが、
「あんたがどっかにやったんでしょうが！」
サキのお母さんがお兄さんに怒鳴った。
「サキとかは知らないよね!?」
「うん。知らんよ!!だってリナとずっと一緒だったし。ねぇ？」
「えっ!うんっ…知らない」
いきなりの問いかけに考える暇もなく動揺したように返事をした。
「もうしょうがない。」
サキのお母さんは諦めついたように言った。

その後、リナとサキはテレビゲームを再開し帰る時間が近づいていた。
「リナぁー!?」
「はい」
「この服サキが着なくなったんだけど、リナ良かったら着てくれない？似合うと思うんだけどなぁ？」
おばさんは私に、サキの服を手渡した。